永遠の聖約にあって一致する-2
聖徒たちは,
ジョン・ベネットが暴露した告発内容に対してジョセフを擁護し続けま す。
ジョンが書いたことの大半は,誇張されているか,まったく偽りの情報でしたが,
ジョセフが複数の女性と結婚しているという主張は正しいものでした。
ハイラム・スミ スとウィリアム・ローはこの事実を知らずに,
ジョンの発言をすべて激しく否定し,
従順に多妻結婚を実施している聖徒たちの行動を意図せず非難していたのです。
これにより,ブリガム・ヤングは不安を募らせます。
大管長会の会員が多妻婚の実施を 知らないままでいるかぎり,
一夫多妻は非難され続けることとなり,
ジョセフとほかの 人々が主の戒めを守れなくなると思ったのです。
ジョセフはすでに,
多妻結婚について兄やウィリアムに教えようとしていましたが,
どれも失敗に終わっていました。
あるとき評議会で,
ジョセフがその話題を切り出すと,
ウィリアムが中断して言いました。
「天からの使いがわたしに現れ,
男性は一人以上の 妻を持つようにと明らかにするなら,
わたしはその使いを殺すでしょう。」
ブリガムは,ハイラムやウィリアムの行動にジョセフが頭を抱えていることを理解していました。
ある日曜日のこと,ブリガムが夕方の用事を済ませると,ジョセフが突然自 宅にやって来ました。
「わたしの家に行って教えてほしいのですが」とジョセフは言い ます。
ブリガムは通常,
聖徒たちに会うのを楽しみにしていましたが,その晩はハイラムも教える予定です。
「わたしは行かない方が良いでしょう」とブリガムは言いました。
ブリガムと妻のメアリー・アンは,
祈りと霊感を通して,多妻結婚を実施すべきだと知るようになりました。
メアリー・アンの同意を得て,
ブリガムは1842年6月,ルーシ ー・アン・デッカーという女性と結び固められます。
ジョセフがブリガムに初めてその原則を教えた一年後のことです。
ルーシーは最初の夫と離婚しており,世話の必要な幼い子供たちを抱えていました。
ジョセフはこう言い張りました。
「ブリガム兄弟,一緒に行ってくれないのなら,わた しは今晩自宅に帰りません。」
気が進まないながらも,
ブリガムは教えを説くことに同意し,預言者とともに家へ向か います。
二人が到着すると,
ハイラムは暖炉のそばに立ち,そこに集った大勢の人々に話していました。
彼は聖書,
モルモン書,教義と聖約を手に持ち,
それらが神の王国を 築くために与えられた律法であると宣言しました。
ハイラムはこう言い放ちます。
「これら以上のものは,人のものであり,神のものでは ありません。」
ブリガムは,ハイラムの説教を聞きながら感情を高ぶらせます。
傍らではジョセフが, 手で顔を覆いながら座っていました。
ハイラムが説教を終えると,
ジョセフはブリガム を軽く押して言います。「今です。」
ブリガムは立ち上がると,ハイラムが置いた聖典を手に取りました。
すると,部屋の中の皆が見えるように,自分の前に一冊ずつ聖典を置きました。
「わたしは,生ける神の預言者なしに,
ライ麦の灰をこれら3冊の書物と交換するようなことはしません。」
末日の預言者なくして,
聖徒たちはジョセフ・スミスを通して神が福音を明らかにされる以前の状態から,
一歩も前進することはできないと言いました。
ブリガムは話し終えると,
自分の説教がハイラムの心を動かしたことを見て取ります。
ハイラムは立ち上がると,
聖徒たちに自分を赦してくれるよう謙遜に請いました。
ブリ ガムは正しい,とハイラムは認めます。
聖典は重要なものですが,生ける預言者に取って代わるものはないのです。
その春,
ジョセフは近くの小さなステークを訪問するために,
しばしばノーブーを離れ ます。
どこへ行くにも,
新しい書記のウィリアム・クレイトンを同行させました。
ウィリアムはイギリス出身の聡明な若者で,
1840年,妻のルースとともにノーブーへ来て間 もなく,
預言者に雇われました。
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