永遠の聖約にあって一致する-1
1843年1月10日,
ジョセフがノーブーに戻ると,帰還を喜ぶ友人や家族がこぞって彼の家に集まりました。
それから間もなくして,
ジョセフとエマは裁判の勝利と二人の16回目の結婚記念日を祝うために夕食会を開きます。
ウィルソン・ローとエライザ・スノー は,この祝宴のために歌を作曲し,
ジョセフとエマは食事を提供しました。
客は笑い, 語り合います。
ジョセフは,愛する人々と一緒にいられる幸せを噛み締めていました。
「もし母,兄弟や姉妹や友人たちに再会できる望みがないとしたら,
わたしは今にも心が張り裂けてしまうことだろう」と思いをはせます。
生者と死者のためのバプテスマ,エンダウメン ト,そして永遠の結婚の儀式が,神聖な聖約を交わす手段として聖徒たちに与えられた ことを知り,ジョセフは慰めを得ました。
聖約は彼らを結び固め,その関係が墓を越えて続くことを確かにしてくれるのです。
しかし,女性はおろか数人の男性がエンダウメントを受けただけで,
多くの聖徒はいまだ永遠の結婚の聖約について知りませんでした。
自分が使命を終えるまで生き長らえる という約束を固く信じていたジョセフは,聖徒たちにこれらの儀式を紹介するため,何とか神殿を完成させたいと思っていました。
自分に残された時間がなくなりつつあると感じていたのです。
ジョセフは素早く前進し,聖徒たちにも歩みを続けるように呼びかけます。
神聖な儀式を受け,神の律法に従う人々には驚くべき祝福が授けられると,
ジョセフは信じていま した。
これまで以上に,ジョセフの目標は,自身が受けた天与の知識を多くの聖徒たちに広め,
それによって聖徒たちが聖約を交わして守り,昇栄へと向かうよう助けることでした。
その冬のミシシッピ川は硬く凍りつき,
水面を行き来するいかだや川船が,
通常どおり運航できなくなっていました。
雪が降り,氷の混じった風が平地や崖に吹きつけることも度々です。
多くの聖徒は,短靴に薄い上着,擦り切れた肩掛けしか持ち合わせていなかったため,
寒さや雪泥をしのいで長く外にいられるのは少数の者だけでした。
冬も終わりに近づいたころ,厳しい寒さが続く中,エミリー・パートリッジはスミス家で洗濯をしながら子供たちの面倒を見ていました。
彼女と姉のエライザは,母親が新しい夫と暮らす場所からそう遠くないスミス家で,二年以上住み込みで働いていまし た。
エミリーは扶助協会に所属しており,女性たちとよく話をしていました。
時折,多妻結婚についての話題も耳にします。
静かにその慣習を受け入れた30人以上の聖徒たちの中には,彼女の義理の姉妹二人と,一人の義理の兄弟が含まれていました。
エミリーはと言うと,多妻結婚に関して個人的には何も知りません。
一年近く前,伝えたいことがあるとジョセフに告げられたことがありました。
ジョセフは手紙を書き送ろうとしましたが,エミリーは多妻結婚について何か言われることを心配して,その申し出を断っていました。
後になって,自分の判断を後悔したエミリー は,その慣習について知っていたわずかばかりの事柄,またジョセフとのやり取りについて姉に話します。
ところがエライザが動揺する様子を見せたので,エミリーはそれ以上何も言いませんでした。
だれにも秘密を打ち明けられないまま,エミリーは深い水の中,一人もがいているかのように感じました。
彼女は主に頼り,何をすべきかを知ろうと祈りました。
数か月後, エミリーは天からの確認を受けます。
その内容が多妻結婚に関することであっても,ジ ョセフが彼女に話そうとしていたことを聞くべきだと感じたのです。
3月4日,
エミリーが19歳を迎えた数日後,ジョセフはヒーバー・キンボールの家で彼女に話がしたいと言いました。
エミリーは仕事を終えると,すぐに出かけます。
多妻結婚 の原則を受け入れる準備はできていました。
予想どおり,ジョセフは彼女に多妻結婚について教え,自分と結び固めを受けてくれないかと尋ねました。
エミリーは同意し,ヒ ーバーが儀式を行いました。
4日後には,姉のエライザもジョセフと結び固められます。
二人の姉妹は互いに話すことができるようになり,自分たちが理解していることや,
交わした聖約について感じていることを分かち合いました。
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